住宅地の格差が起きる社会へ

 現在、テレビや新聞・マスコミなどで大きく取り上げられていますが『コンパクトシティ』と言う言葉を聞かれた
方も多いと思います。「昨年の8月、コンパクトシティを促すため『改正都市再生特別措置法』が施行されました。
これにより、地方自治体は居住誘導区域、病院や商業施設などを集める『都市機能誘導区域』を設定できるようにな
りました」。空き家増加の最大の原因は、「市街地が広がり過ぎたこと」と、富士通総研の米山秀隆上席主任研究員
は話しています。これは戦後の街づくりの構造的な問題です。高度経済成長を迎えた日本は、住宅不測の為に宅地造
成を奨励し、市街地を郊外へ急拡大させてきました。そこには大量の住宅が建てられ、殆どが耐用年数の低い住宅だ
ったのです。そのご人口減少と超高齢化社会が到来し、子供たちは利便性の高い地域に移り住み、親の家には戻るこ
とがなかった。まさに家余りの状況であり、現在国内には約840万戸の空き家のうち、52%は借り手のつかない
賃貸住宅であり供給過剰の状態です。「人口減少の状況で、大きく広がった市街地はインフラ設備の負担の面からも
維持が困難であり、これから『市街地の縮小』は大きく加速されることでしょう。そのとき『居住誘導指定区域』か
ら外れた住宅の価値は著しく下がることが予測されます。国は、区域を設定した『立地適正化計画』を、2020年
までに、150の自治体へ広げることを目指しています。米山氏は売却に不安がある物件は、区域が設定される前に
動いたほうが賢明だと結んでいます。北海道から沖縄まで、空き家相談に出向いている私たちに見える現実は、空き
家が増えれば、その周囲にさらに空き家が増えるという、悪循環が続いているのです。
             ※米山秀隆・「空き家急増の真実」「少子高齢化社会の住宅市場」など著書多数あり